無敗王者アンデウソン、衝撃KO負けも引退否定
現地時間6日(日本時間7日)、米国ラスベガスのMGMグランドで「UFC162」が開催された。
メーンイベントはUFC16連勝、タイトルも10度の防衛を果たしてきたミドル級王者アンデウソン・シウバの防衛戦。9戦無敗で進んできた新鋭クリス・ワイドマンを迎え撃った。
レスリングをベースとするワイドマンは1R開始早々タックルに入りアンデウソンをテークダウン。グラウンドでパンチとヒジを浴びせるが、アンデウソンはガードに戻して蹴り上げを見舞い、ワイドマンが足関節を狙ってきても足を引き抜き許さない。
スタンドに戻ったアンデウソンは手を降ろしてノーガードでアゴを突き出し、「打って来い」とばかりにワイドマンを挑発。1R後半から2R前半に渡ってこの挑発を続け、ワイドマンが打っても巧みなボディーワークで空を切らし当てさせない。
わざとパンチが当たったかに見せ、効いたように体を揺らしたり、幻惑させるかのステップを見せるなど余裕たっぷりで“アンデウソンワールド”を見せていた王者だが、ワイドマンは踏み込んで左フックから入り、これがかわされても右、左とさらにフックを繋げて追い、最後の左フックをアンデウソンにクリーンヒット。
意識が飛んだように倒れたアンデウソンを素早く追うとパウンドで追い打ちをかけ、レフェリーは間に入って試合をストップ。余裕しゃくしゃくに試合を進めていたアンデウソンだが、まさかの形でKO負け、王座陥落となった。
試合後オクタゴン内でインタビューを受けた両者は、新王者ワイドマンが「リマッチを望むのであればやります」と答えたのに対し、アンデウソンは「クリスがチャンピオンです。もうベルトのために戦うことはしません」と返答。「また試合はします」と引退こそ否定したものの、7年に渡りベルトを守り続けてきた重圧の大きさも感じさせた。
そのほか、3月の日本大会に続きUFC連勝を狙った徳留一樹、そしてUFCデビューとなったホジャー・グレイシーは判定負け。3連敗と苦しい立場にあった前ライト級王者フランク・エドガーは、判定勝ちで遂に連敗を脱した
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